第1話






先輩、また皆で来ましょうね!!」





私の目の前には、笑顔でそう言う赤也。



周りには、真田をいじめて遊んでいる幸村、仁王にからかわれているブン太。

ジャッカルと柳、柳生は、微笑ましそうにこの光景を眺めていて。



ああ、幸せだな、って思える瞬間。



観覧車をバックに、私も笑顔で答えた。





「うん!そうだね!」




























…そんな夢を見た私、   は普通の中学3年生。


テニスの王子様が大好きで、今日は特に好きな立海が夢にまで出てきた。




あぁ、みんなかっこよかったなー…♪


あんな人たち実際にいないから、夢で見られただけでも幸せなんだけど。



…トリップとか、してみたいなー。





別に今の生活に不満があるわけじゃない。


学校には仲の良い友達がいて、家には家族がいて。



でもやっぱり、こういうの夢見ちゃうじゃん!?


私だけじゃないはずだよね!!





ー!早く行かないと遅刻するよー!』

「うわっほんとだ!」




そうだ私今から学校なんだよね!

こんなこと考えてる場合じゃなかった!



急いで制服に着替えて、朝ごはんを食べる。




…そういえばこの制服、立海のに似てるんだよね。

男子は全然違うけど。



…じゃなくて!





「行ってきまーす!」





学校歩いていける距離だからって油断しすぎた!!


早く行かないと私の無遅刻無欠席があぁあ!!!





と、世界最速記録出るんじゃね!?くらいの速さで走った、走った。


…いや、出るわけないとかいうツッコミは…ね?


とにかく私、全速力で走り抜けたんです!



それで、いつも通ってる道を通ったはずなのに…。




………。





待って待って待って待って待って待って待って待ってm(もういいよ)






ま、まだ夢の中、ってわけじゃないよね??



だって、ダッシュしたせいでかなりの息切れ。


見知った友達も、「 大丈夫ー?」なーんて、笑いながら玄関に向かって…




…ちょーっと待って待って待って待って待って待って待ってm(しつこい)



私が少し(っていっても土日の二日間)見ない間に、うちの中学の制服は(特に男子!)こんなに変わっちゃったの?





しかもさっきから目を疑うようなこの学校名。





【神奈川県立立海大付属中学校】





えー。



無いって無いって。無い無い無い無い。



確かにさっき、本気で思ったかもしれない。


トリップしてみたいって、思っちゃったかもしれないけどさぁ!!



え。あり得ないってばぁー!!



夢、そう夢なのよ!


誰か早く殴って!頭かち割って!!(なんか違う)





―――ドンッッッ!!!





「い……っったぁぁぁぁあ!!」





どこのどいつだこのヤロー!!(泣)



確かに殴ってって言った!頭かち割ってって言ったけども!


めっちゃ痛い!特に後頭部にとんでもない衝撃がはしったんですけど!!





「す、すんませんっ!!俺急いでて…!」





うずくまる私に、手を差し伸べつつオロオロしている赤也。


やっぱかっこいいわ。うんうん。





「気にしないで?大丈………」





思わず手を取ってしまったけれど。


頭は痛いし赤也がいるし手の感触があるし。





…私、本当にやっちゃったのかもしれない。





「やっぱ大丈夫じゃないッスか!?やっべ!!保健室行きます!?」





一人パニックな赤也をよそに、私は一人ポカーンとその場に立ち尽くすのでありました…。