「
先輩、また皆で来ましょうね!!」
私の目の前には、笑顔でそう言う赤也。
周りには、真田をいじめて遊んでいる幸村、仁王にからかわれているブン太。
ジャッカルと柳、柳生は、微笑ましそうにこの光景を眺めていて。
ああ、幸せだな、って思える瞬間。
観覧車をバックに、私も笑顔で答えた。
「うん!そうだね!」
…そんな夢を見た私、
は普通の中学3年生。
テニスの王子様が大好きで、今日は特に好きな立海が夢にまで出てきた。
あぁ、みんなかっこよかったなー…♪
あんな人たち実際にいないから、夢で見られただけでも幸せなんだけど。
…トリップとか、してみたいなー。
別に今の生活に不満があるわけじゃない。
学校には仲の良い友達がいて、家には家族がいて。
でもやっぱり、こういうの夢見ちゃうじゃん!?
私だけじゃないはずだよね!!
『
ー!早く行かないと遅刻するよー!』
「うわっほんとだ!」
そうだ私今から学校なんだよね!
こんなこと考えてる場合じゃなかった!
急いで制服に着替えて、朝ごはんを食べる。
…そういえばこの制服、立海のに似てるんだよね。
男子は全然違うけど。
…じゃなくて!
「行ってきまーす!」
学校歩いていける距離だからって油断しすぎた!!
早く行かないと私の無遅刻無欠席があぁあ!!!
と、世界最速記録出るんじゃね!?くらいの速さで走った、走った。
…いや、出るわけないとかいうツッコミは…ね?
とにかく私、全速力で走り抜けたんです!
それで、いつも通ってる道を通ったはずなのに…。
………。
待って待って待って待って待って待って待って待ってm(もういいよ)
ま、まだ夢の中、ってわけじゃないよね??
だって、ダッシュしたせいでかなりの息切れ。
見知った友達も、「
大丈夫ー?」なーんて、笑いながら玄関に向かって…
…ちょーっと待って待って待って待って待って待って待ってm(しつこい)
私が少し(っていっても土日の二日間)見ない間に、うちの中学の制服は(特に男子!)こんなに変わっちゃったの?
しかもさっきから目を疑うようなこの学校名。
【神奈川県立立海大付属中学校】
えー。
無いって無いって。無い無い無い無い。
確かにさっき、本気で思ったかもしれない。
トリップしてみたいって、思っちゃったかもしれないけどさぁ!!
え。あり得ないってばぁー!!
夢、そう夢なのよ!
誰か早く殴って!頭かち割って!!(なんか違う)
―――ドンッッッ!!!
「い……っったぁぁぁぁあ!!」
どこのどいつだこのヤロー!!(泣)
確かに殴ってって言った!頭かち割ってって言ったけども!
めっちゃ痛い!特に後頭部にとんでもない衝撃がはしったんですけど!!
「す、すんませんっ!!俺急いでて…!」
うずくまる私に、手を差し伸べつつオロオロしている赤也。
やっぱかっこいいわ。うんうん。
「気にしないで?大丈………」
思わず手を取ってしまったけれど。
頭は痛いし赤也がいるし手の感触があるし。
…私、本当にやっちゃったのかもしれない。
「やっぱ大丈夫じゃないッスか!?やっべ!!保健室行きます!?」
一人パニックな赤也をよそに、私は一人ポカーンとその場に立ち尽くすのでありました…。